たけちです。
ついに我が家に、2頭のオオカミ犬が来ました。
前回までの記事はこちら。
犬嫌いだった小さい頃の僕に言ってあげたい。将来、きみはオオカミと暮らしているぞ、と。
子どもの頃に見ていた、ブラウン管(古いですかね)の向こうの、動物王国みたいなことに片足を突っ込んでいるぞ、と。
まあ、来たと言っても、まずは、里親が見つかるまでの間です。
不動産屋にもとりあえず、3ヶ月間預かっているのだと伝えて、許可を得ました。(実はペット不可の物件だったのです)
2頭と一緒のはじめの日々は本当に途方に暮れそうになるくらいの状況でした。
当日の搬送、特に2階に上げるのも大変でしたが、その後の日々は100倍くらい大変でした。
声を大にして、生半可な気持ちでオオカミ犬を飼うな!と言いたい。
それでも僕は何度この話が来ても、飼う!一緒に暮らそう!と言うでしょう。
今回は、はじめて家に2頭が来たときから、少しずつ(お互いに)慣れていった話をお届けしたいと思います。
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カゴからまったく出てこないオオカミ犬たち
なかなかしんどい思いをして、やっとの思いで、1階から2階の階段を上がっていき、2匹がそれぞれ入った、2つのカゴ(ケージ)を6畳の部屋に置いたのでした。
前回の記事ふくめ、ここまでの書き方でお分かりかもしれませんが、カゴのサイズは彼らの体に対して、かなり小さく、窮屈なものでした。
座っても頭がフタにつくし、体は全然伸ばせない状態でした。脚の下の部分は毛がすりきれているし、早く出してあげたいなと思っていました。
カゴの扉はずっと開けっ放しにしてありました。
でも、相変わらず、出てこない2頭。
そこまでビビっている訳ででは無さそうで、まあまあ穏やかにいたんじゃなかったかなと思います。
2頭を受け取りに同行してくれた2人とあわせて3人でしばらく様子を見たり、雑談していたりしましたが、数時間後に、2人は帰っていき、部屋には僕ひとりと2頭が残りました。
”さあ、ひとりだったら、少しは安心だろう。出ておいで!” と思いながらも、やっぱり出てこない。
うーん、さすがオオカミの血。警戒心は強いんだなあ(犬も性格、状況によっては同じでしょうが)
違う部屋に行ったりしても、全然出てくる様子が無い。
根気よく、慣れてしまうしかないなあと思い、毎日カゴの前で寝て、匂いを覚えてもらったり、危害を加えない事をわかってもらって貰う事につとめました。
とりあえず、会社に行っている間に出てると、さすがに部屋が心配なので、会社にいっている間は扉は閉めていましたが。
毎日、会社から帰っては、扉を開けて、早く出ておいて!と伝える毎日でした
(その後の僕からすると、中に居てもらった方が平和で良かったなあと思うことになるのですが、それは、また後ほど)
ごはんを食べないオオカミ犬たち
数日たった頃、急に足音がすると思ったら、2頭のうちの1頭が出ていました。
”おおお、出たか。やっぱデカイなおまえ。”
と思ったのですが、一瞬でてきて、僕が気づいたときにはもう、カゴの中に戻っていきました。
それでもその後は、少しずつ出るようになっていきました。1頭に続いて、もう1頭も徐々に出るようになっていきました。
”これで一安心かなあ。”
で、ここまで書いていなかったもう1つの問題がありました。
それはごはんです。
全く食べない。
かりかりのドッグフードはもちろん、柔らかめのフードも、色々、肉や野菜を使って自分で作ってみても食べない。
色々試行錯誤して、ついに口にしたものががありました。
それは、オレンジジュース。
そこからチーズを少し食べる様になり、徐々に野菜や肉も食べる様になりました。
たぶん1ヶ月位はほとんど食べずにいて、このまま餓死するのではないかと思うくらいでした。
きっと、オオカミの誇り高さのあらわれで、群れとしての生き方がそこに出るのだなあと思いました。
ともあれ、これでようやく群れとして認められたんだなあと思いました。
群れのボスになる
ついに2頭ともご飯を食べる様になり、群れとして成り立ったのかと一安心の僕。
そうしたら、今度は奴らはどんどん激しくなっていきました。
部屋中、ダッシュで駆け回り、天井すれすれをいくくらいの高さで跳ね回る。
襖、柱、机、どこにでもおしっこをかけるし、ベッドの脚はがじがじにかじるし、お気に入りのジーンズの下の方が無くなっているし、カーテンもぎだぎだになっているし、、
いやいやいやいや、あんなにカゴの中でかわいくしていた2頭はどこにいったのか!!
うーん、どうしたのものか。あ、これはボスと認められていないってことか。
そう、こちらのほうが力が上だということを示さなければなりません。
僕は元々運動が苦手でした。
体育の成績はクラスでも下の方で、なんとか改善したいと、習った(習わされた)水泳では、水をがぶ飲みしては、泣きそうになるし、バスケ部に入ってみても、走り込みがキツ過ぎて、吐きながら帰ったり。
そんな僕でしたが、二十歳前後の時に空手に出会い、なんだか自分のペースで心身が鍛えられる感覚が合った様で、ついには黒帯まで取りました。
いざ、とっくみあいの喧嘩です。
噛まれてはちょっと勝てなさそうなので、首周り中心に押さえつけて噛まれないように、ひっくり返して、仰向けの状態にさせます。
そこからすごいパワーで起き上がってこようとするのですが、必死の力と体重を使って、抑えてけます。
一回、頭を噛まれましたが、怯んではいけません。とにかく、頑張るのです!
そうして、数十分格闘していると、ついてに諦めたのか、力を抜いて、降参状態になりました。
自ら、仰向けになるやつです。
2頭のうちの力関係が上と思っていた1頭に勝ったことで、もう1頭も僕のことをボスと認めたようでした。
あ、頭から血は出ていませんでした。
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オオカミ犬 中心の日々
結局、力では勝てて、叱れば言っている事は分かる様になったようです。
それから、おやつをあげるときは、お手もするようになりました。
ただ、wikipediaにも書いていますが、本当にトイレは覚えない。
群れのボスになっても、そういうことは本能的なものなのか、生き方までは変えられないということなのか。
あと、破壊は減りましたが、部屋が荒れていくのはおさまらない。。
そうして、3ヶ月はあっという間に過ぎ、適当な里親は結局見つかりませんでした。
”仕方ない。きみたち、うちで暮らすかね。”
ここまでで大変な想いをしている訳ですが、中途半端な覚悟であったり、犬を飼っていた経験では、こいつらとは暮らせないなという事も分かってきたわけです。
そこらへんの方にはお渡しできないし、実家の両親でも大変だろうなあと。
そして何より、自分がこいつらと一緒にいたいと思ったわけです。せっかく群れのボスになったこともあるし。
まとめ
こうして、僕はオオカミ犬2頭と暮らしていくことなりました。
そうして8年以上経つわけですが、自分の経験の他にも本当に色々なお付き合いもあったり、調べた知識などもあるので、色々と発信していきたいと思っています。
- オオカミの習性とか
- オオカミの身体性能とか
- オオカミと暮らしていて、ありがちなこと○個とか
- オオカミに学ぶ社会性 とか
- 犬との違い、犬との付き合い方 とか
いくらでも、は大げさかもしれませんが、色々とお役に立てる、興味深い、お伝えできる情報はあると思います。
もし、興味のある内容、知りたい内容があれば、コメント欄やお問い合わせフォームにでも入れてもらえればと思います。
そういえば、ついでにクマとかトラとかについても少しだけ身近になっています。
が、とりあえず、犬とオオカミにフォーカスしようかなと思っています。
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